NHK「日本の、これから」 環境と景気について
6月20日に放送されたNHK「日本の、これから」では、環境と景気について討論が行われ、いつもとは違い一般参加者のバランスが取れており、有意義で中身があったと感じられた。私が特に注目したのは、鉄鋼産業に従事している参加者の意見。
鉄鋼は、世界で13億トン造っている。日本は、1億トン強。政府が発表した05年比15%減(90年比8%減)のCO2削減中期目標(産業部門05年比10%減)を全ての鉄鋼製造メーカーに課した場合、世界最高峰の省エネ技術を導入して来たメーカーは、生き残る為に生産を減らし、それよる社員削減を断行するかも知れない。更なる省エネ技術の向上には、それなりの資金も必要であり、いつ新技術が導入できるか分らない。そこで、排出権購入に頼る事になり、購入先は、欧州、アジア(中国)からという事態が想定される。
日本での鉄鋼生産が減っても、結局はどこかの国の鉄鋼メーカーが造る訳で、中国などの省エネ技術が今一の鉄鋼メーカーが造った場合、今よりもCO2が確実に増える。中国はご存知の様に、世界第2位のCO2排出国であるにも拘らず、削減の枠組みに加わっていない。CO2削減の義務がなく、 「先進国が大幅に削減するなら、我が国でも・・・?」というスタンスである。
その中国に対して、米国のトッド・スターン気候変動問題担当特使は12日、ワシントンで会見し、20年までの中期目標では温室効果ガスの排出削減を求めない方針を示した。
京都議定書の二の舞を避ける意味でも、米中と欧州による日本包囲網には十分に注意しなければならない。政府の05年比15%減の削減目標でも足りないと非難している方達は、乾き切った雑巾から水を搾り出す様なものという、日本の置かれた現状を無視しているとしか思えない。
環境ファシズムは、最終的には国益を損なう事になるので、大概にして欲しい!
製鉄会社勤務の桐野さん
あの~、よろしいでしょうか。ちょっとあの~、僕、鉄鋼産業なんで、ちょっと、鉄鋼の現状をちょっとお話をすると、環境の問題で、まぁ、凄い何パーセント下げんといけないというのは言ってますけども、まぁ、今出ているのが2005年度比だとか、1990年度比ですけども、鉄鋼って1970年以降、オイルショック以降、相当の省エネやって来たんです。もう、90年までに20%ぐらいの省エネやって来て、今、削減しろってのは、3%ぐらいしかないんじゃないか、っていう風に言われています。そこに15%だとか、まぁ、産業10%だって言われてますけれども、そういったものを掛けられた時に、日本で、製鉄事業がもう成り立たないっていう事になると。それだけ、雇用が無くなるっていう事です。
で、これは、日本の製造業は、殆どって言うか、世界でもトップレベルの高効率でやってます。そんなところも、全てそんな負担を掛けられた時に、ほんとに雇用が無くなってしまうんじゃないかと。
あの~、製造業、物造り産業って、日本のGDPの4割です。その4割がなくなって、ほんとに日本の経済が回るのか、っていう事を考えないといけない。(仰る通りの声多数)
あ、ごめんなさい、もう1つ。
それと、もう1つ。実際、鉄、あの~、世界で13億トン造ってて、日本が1億ちょっと造ってるんですけども、その1億トンの需要が減る訳じゃなくて、どっかで造るんですよ。どっかで造る時は、日本よりCO2を排出する国で造るんですよ。世界的にCO2が増えるんですよ。ほんとにそんな事をやるんですか、っていう事ですよ!
関連記事
・CO2削減中期目標“05年比15%減” 年間家計負担“7万6.000円”(2009/06/15)
・CO2削減中期目標 環境ファシズムに辟易!(2009/06/12)
Links
・NHK「日本のこれから:環境と景気」の番組を観たんだが・・・ - ミーチャンハーチャン
・EU、20%削減目標の真実 実質削減量は数%か? - Nikkei bp ECOマネジメント
・温暖化ガスの中期排出削減目標 重い国民負担は国益に繋がるのか - ダイヤモンド・オンライン
鉄鋼は、世界で13億トン造っている。日本は、1億トン強。政府が発表した05年比15%減(90年比8%減)のCO2削減中期目標(産業部門05年比10%減)を全ての鉄鋼製造メーカーに課した場合、世界最高峰の省エネ技術を導入して来たメーカーは、生き残る為に生産を減らし、それよる社員削減を断行するかも知れない。更なる省エネ技術の向上には、それなりの資金も必要であり、いつ新技術が導入できるか分らない。そこで、排出権購入に頼る事になり、購入先は、欧州、アジア(中国)からという事態が想定される。
日本での鉄鋼生産が減っても、結局はどこかの国の鉄鋼メーカーが造る訳で、中国などの省エネ技術が今一の鉄鋼メーカーが造った場合、今よりもCO2が確実に増える。中国はご存知の様に、世界第2位のCO2排出国であるにも拘らず、削減の枠組みに加わっていない。CO2削減の義務がなく、 「先進国が大幅に削減するなら、我が国でも・・・?」というスタンスである。
その中国に対して、米国のトッド・スターン気候変動問題担当特使は12日、ワシントンで会見し、20年までの中期目標では温室効果ガスの排出削減を求めない方針を示した。
京都議定書の二の舞を避ける意味でも、米中と欧州による日本包囲網には十分に注意しなければならない。政府の05年比15%減の削減目標でも足りないと非難している方達は、乾き切った雑巾から水を搾り出す様なものという、日本の置かれた現状を無視しているとしか思えない。
環境ファシズムは、最終的には国益を損なう事になるので、大概にして欲しい!
製鉄会社勤務の桐野さん
あの~、よろしいでしょうか。ちょっとあの~、僕、鉄鋼産業なんで、ちょっと、鉄鋼の現状をちょっとお話をすると、環境の問題で、まぁ、凄い何パーセント下げんといけないというのは言ってますけども、まぁ、今出ているのが2005年度比だとか、1990年度比ですけども、鉄鋼って1970年以降、オイルショック以降、相当の省エネやって来たんです。もう、90年までに20%ぐらいの省エネやって来て、今、削減しろってのは、3%ぐらいしかないんじゃないか、っていう風に言われています。そこに15%だとか、まぁ、産業10%だって言われてますけれども、そういったものを掛けられた時に、日本で、製鉄事業がもう成り立たないっていう事になると。それだけ、雇用が無くなるっていう事です。
で、これは、日本の製造業は、殆どって言うか、世界でもトップレベルの高効率でやってます。そんなところも、全てそんな負担を掛けられた時に、ほんとに雇用が無くなってしまうんじゃないかと。
あの~、製造業、物造り産業って、日本のGDPの4割です。その4割がなくなって、ほんとに日本の経済が回るのか、っていう事を考えないといけない。(仰る通りの声多数)
あ、ごめんなさい、もう1つ。
それと、もう1つ。実際、鉄、あの~、世界で13億トン造ってて、日本が1億ちょっと造ってるんですけども、その1億トンの需要が減る訳じゃなくて、どっかで造るんですよ。どっかで造る時は、日本よりCO2を排出する国で造るんですよ。世界的にCO2が増えるんですよ。ほんとにそんな事をやるんですか、っていう事ですよ!
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