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北方領土問題 麻生総理は「4島一括返還」を捨てた?

 【日露首脳会談】 露ペース、危うい領土交渉アプローチ - MSN産経ニュース

 18日の日露首脳会談で、両首脳は北方領土問題を「我々の世代で解決」し、「新たな独創的で型に嵌らないアプローチ」で解決させる事で合意した。これらの言葉は、いずれもメドべージェフ大統領が触れたもので、麻生太郎首相が乗った格好だ。具体化はこれからとはいえ、対露外交の専門家らからはロシア側のペースで進む可能性があると、首相の対露外交を危惧する声が早くも上がっている。

 麻生首相は会談後、記者団に対し、領土問題について、「こっちは4島、向こうは2島ではまったく進展しない。今まで通りに行っても解決しない」と訴えた。同時に、「日露の色んな事が領土問題で引っ掛かるから、問題の解決は必要だ。役人に任せず、政治家が決断する以外に方法はない」とまで述べ、解決への強い意欲をみせた。

 そこで問題になるのが、首相が外相時代の平成18年に言及して国内世論の批判を浴びた、国後、歯舞、色丹の「3島返還論」と、面積による等分を考えた択捉島の25%と残り3島による「2等分論」だ。

 首相同行筋は、「今回の会談でも日本の基本方針は変わらない」と強調したが、日本側の説明では、首相が会談で「4島返還」の方針を言明する事はなかった。 02/19 00:46
 日露首脳会談:4島返還放棄は歴史的汚点…北大名誉教授 - 毎日jp

 ◇木村汎・北大名誉教授の話

 日露首脳会談でロシア側が提案した「独創的なアプローチによる領土問題解決」に同意した日本は、「4島返還」という従来の立場を捨てたと言える。

 ロシア側の狙いは、2島でも4島でもない「2島(歯舞、色丹)プラスα」による解決であり、αの部分は、共同開発などを想定している。残る2島(国後、択捉)が返ってこなければ、日本にとってプラスどころか「マイナス2島」になる。
麻生氏は島の「面積分割」による解決に言及した事があり、ロシア側から「スキがある人物」と思われたのではないか。4島以外の解決はないと、なぜ側近達が首相を制しなかったのか。

 日本は第二次大戦後、サハリン(南樺太の主権)を犠牲にしている。そのサハリンに行って今回のような妥協をしたのは致命的な後退であり、日露交渉史の大きな汚点になる。 【聞き手・杉尾直哉】 02/18 22:20


 日ソ平和条約交渉と日ソ共同宣言 - フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 1955年6月、松本俊一を全権代表として、ロンドンで、日ソ平和条約交渉が始まった。当初、ソ連は一島も渡さないと主張していたが、8月9日、態度を軟化させ、歯舞・色丹を日本領とすることに同意した。松本はこれで、平和条約交渉は妥結すると安堵したが、日本政府は、国後・択捉も含めた北方四島全てが日本領であるとの意向を示した為、交渉は行き詰まった。

 1956年7月、重光葵外相を主席全権、松本を全権として、モスクワで、日ソ平和条約交渉が再開された。当初、重光は四島返還を主張したが、ソ連の態度が硬いと見るや、8月12 日、歯舞・色丹二島返還で交渉を妥結することを決心し、本国へ打診。しかし、当時、保守合同直後の与党には、派閥間の思惑もあり、重光提案を拒否、日ソ平和条約交渉は膠着した。さらに、8月19日、重光はロンドンで米国務長官ジョン・フォスター・ダレスと会談、席上ダレスは、二島返還で妥結することをきびしく禁止し、四島返還を主張しないならば、沖縄の返還も無いと指摘した。保守党内部の反鳩山勢力の思惑や米ソ冷戦下の米国の干渉などにより、平和条約交渉は完全に行き詰まった。

 1956年10月、鳩山首相は局面を打開すべく、領土問題を棚上げして、すでに妥結している他の問題(戦争の終結、国交回復、未帰還日本国民送還など)で条約(日ソ共同宣言)を締結することを決断、自らモスクワに渡りソ連との交渉に当たった。モスクワ交渉に先立ち、領土問題は棚上げすることで両国の合意が得られていたにもかかわらず、訪問直前になって、自民党は歯舞・色丹を日本領と確約することを共同宣言締結の条件とすることを決議、日ソ共同宣言締結に新たな条件をつけた。鳩山はフルシチョフとの会談で、歯舞・色丹を平和条約締結後に日本に引き渡すことを明記することに成功、日ソ共同宣言の締結を果たした。(参考、松本俊一著『モスクワにかける虹』)


 日本政府の立場は、あくまで「歯舞、色丹、択捉、国後」の4島一括返還であるが、「4島の帰属を確認して、平和条約を締結する。その場合、歯舞、色丹の2島が先に返還され、国後、択捉の2島返還を継続して求めて行く」という鈴木宗男氏の提案もあった。

 サハリン(樺太)訪問の際に行われた日露首脳会談で、4島一括返還に拘らない姿勢を見せた麻生総理を批判する向きもあるが、そもそも、鳩山内閣が1956年に調印した「日ソ共同宣言」(平和条約締結後に、歯舞、色丹の2島返還)が障害の元になっており、4島一括返還を主張し続ける限り、北方領土問題が進展しない事だけは確かである。

 麻生総理を非難するならば、ロシアの帰属でもないサハリンを訪問した事に対してだろう。18日付、ロシアの経済新聞は、「日本の首相がサハリンのロシアの領土主権を保証した」と報じている。

 4島一括返還の障害になっている「日ソ共同宣言」に最終的に調印したのは、グロムイコ書簡の存在が大きく、「領土問題を含む平和条約締結交渉の継続」という文言で、「領土問題は択捉、国後を含む・・・」と解釈できると判断したからである。しかし、領土問題とは、ロシア側の解釈では、歯舞、色丹の2島を示し、日本側の解釈では、択捉、国後を含む4島を示す。

 ロシア側にしてみれば、日ソ共同宣言がすべてな訳で、日本側がグロムイコ書簡と抱き合わせて都合の良い様に解釈しているという立場である。つまり、グロムイコ書簡は、「歯舞、色丹、択捉、国後」の4島一括返還では共同宣言の調印に漕ぎ着けないと判断した鳩山内閣・河野農林大臣の苦肉の策であった。

 Links
クレムリン・緊迫の7日間 ~日ソ国交回復・50年目の真実~ - NHK ETV特集(06年3月25日放送)
モスクワ・センチメンタルジャーニー (若宮啓文) - 日本記者クラブ

露紙「日本は、どうしようもない楽天家だ」@樺太会談に臨むメドベージェフ大統領の真意は? - Cool Cool Japan !!!

 「交渉継続」は2島が対象 56年書簡で元ソ連外交官(共同通信) - 47NEWS

 1956年の日ソ共同宣言調印に至る外交交渉に加わった元ソ連外交官セルゲイ・チフビンスキー氏(88)は19日の調印50周年を前に共同通信のインタビューに応じ、56年9月の「松本・グロムイコ書簡」に記された国交正常化後の「領土問題を含む平和条約締結交渉の継続」とは、色丹、歯舞の2島の日本への引き渡しに伴う国境画定交渉であり、択捉、国後島は対象ではなかったと述べた。

 書簡に書かれた「領土問題」に択捉、国後の帰属問題が含まれるとの日本側の解釈についてチフビンスキー氏は、ソ連側には当時「そういう理解はなかった。(日本側交渉者の)誰もそんな事は言わなかった」と述べた。 06/10/14 09:07


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