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GMの破綻 金融子会社「GMAC」と自動車版「サブプライムローン」

 GM破綻とマネーゲーム - 日経ビジネスオンライン
 
 米クライスラーに続き、GM(米ゼネラル・モーターズ)が米連邦破産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。これによってGMは再建を目指す新GMと清算処理に入る旧GMに分離され、新GMの株式の60%は米政府が、12%はカナダ政府などが所有する“国営会社”になる。

 米国の誇りの象徴でもあったGMが倒産に追い込まれたのは、消費者離れによるシェアの低下、UAW(全米自動車労組)が要求し続けた支払不能な福利厚生や退職金、とその理由は多岐に亘るが、直接の引鉄となったのは、GMの倒産を望む自動車ビジネスとは無縁のマネーゲームに興じる集団勢力があった事だ。

 具体的に言えば、GMの無担保債を保有し、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を購入して倒産リスクをヘッジした “債権者”だ。
06/03


 GMが破綻した要因は多岐に亘り、最終的にはマネーゲームの終焉による世界的な景気後退によって止めを刺された格好だが、GMの体質に問題があった事は確かで、退職者とその家族に対する年金や医療保険の高負担が経営を圧迫し、景気後退の波に耐えられるだけの体力がなかった。

 GMの体力を消耗させた高負担の中には、従業員と退職者とその家族へのバイアグラの無償提供があり、それだけで年間1.500万ドル(約14.7億円)にも達していたという。日本のメーカーと比べれば、遥かに高待遇である。再建に当たっては、さすがにそれは外される。

 労組(UAW)が強過ぎる考えもので、破綻は自業自得と言えるだろうが、マネーゲームとGMの放漫経営のとばっちりを日本の自動車・部品メーカーも受ける事になる。

 米政府がGMの債権を保証する制度は、米国内で製造された部品のみに適用され、輸入品は除外される。それにより、GMに部品を提供して来た日本に製造拠点を置くメーカーは、泣く泣く債権の回収を諦めざるを得ない。

 サブプライムローン、その自動車版による米国内での新車販売台数の伸びは、日本の自動車・部品メーカーに利益を齎した面はあるが、全くもって納得いかない話である。

 特に注意しなければならないのは、オバマ大統領は、UAWの支持があったからこそ大統領になれた訳で、民主党政権が国内メーカーを守る為に、突如として保護主義に走る可能性が残されている事である。

 Links
『破綻したGMはいかに害をもたらしていたのか!?』小西克哉さん - ラジオ映画館Le Monde ヴェロニカヘの道
「誰が電気自動車を殺したか?」 欲望に振り回され、人間は迷走する - 欽司映画日記
 
自動車版サブプライムローン
GMAC.jpg
自動車ローンを組む際の書類には、客の名前、住所、生年月日、社会保障番号、職業の5項目だけで記入し、支払い能力に関する情報の記入は求めない。実際に、空き瓶拾いで生計を立てている人など、支払い能力に問題がある低所得者まで、簡単にローンが組める仕組みだった。

GMはディーラーを通じて客に車を販売し、その代金をGMACは客にローンを組ませてディーラーへ支払うが、ローン債権を抱える事になる。

客がローンを返さないと、GMACはローン債権を償却できないが、その債権を全米各地から集め、金融工学を用いて組み合わせ、投資家向けに格付けAAA(最高位)の金融商品を作り出した。

GMACは、その金融商品をウォール街(バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、シティグループ)などを通じて世界の投資家に販売した事により、ローン債権分がGMACに入り、その上、手数料まで稼ぐ事ができた。

GMACとのリース契約
GMAC_1.jpg
GMから車を買うのは客ではなくGMAC。そして、客に車を貸し出す。リース契約が終わった後に中古車として販売する価格を差し引くので、客の支払いは半額程度に抑えられる。

あるディーラーでは、販売した車の80%がリース契約だった。更にGMACは、リース契約の債権までも金融商品として販売していた。
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